おにぎり館

ゲーム世界の書物の収集および保存

原神

帝君遊記・一

璃月は天下の宝が集まる場所。宝があれば、自然と真贋を見極める人が出てくる。「希古居」の初代店主玟瑰が、そうした特別なコレクターであった。緋雲の丘に建てられた「希古居」には、そのような客が常日頃から訪れた。この店は夜になると営業を開始し、訪…

トントンへの手紙

親愛なるトントンへ 時間が経つの早いものだね、パパが海に出てからもう三ヶ月が経った。パパに会いたいかい? 毎日ちゃんと時間通りに寝てるかい? 山荘のおじいちゃんとおばあちゃんたちを怒らせたりしていないかい? パパはもうすぐ帰るよ。パパが稲妻国か…

侠客記・山妻編

璃月より北の絶雲の間は常に雲や霧に包まれている。薬草採りの間では仙人や神奇にまつわる幾多の伝説が伝わっていた。遠い昔、谷という薬商人が薬草の分布を考察するために絶雲の間に入ったところ、四、五人の賊に後をつけられた。その晩、銭谷がくつろいで…

冒険者ロアルドの日誌・絶雲の間・慶雲頂

この冒険日記を書く前に、自戒するためまず一言書かせてもらう。最近、文章を書いた後、しばらくするとこの日記を失くしていることに気付く。ロアルドよ、こんな悪習は正さないといけない!どれくらいの時間を費やし、こんな高いところまで登ったのか覚えて…

冒険者ロアルドの日誌・地中の塩

萩花洲の川原に沿ってここまで歩いてきた。私の靴はずぶ濡れだ。こないだ靴を脱いだ時、なんとカエルが靴から飛び出てきた。遺跡の規模から見ると、数千年前のここは神殿と避難所だったはずだ。魔神戦争時に塩の魔神が建造したらしい。脇月の伝説では、彼女…

冒険者ロアルドの日誌・軽策山荘

ドラゴンスパインを離れて、川に入り、萩花がたくさん咲いている砂州を歩く。空を遮るほどの竹林を通過し、私はやっと軽策山に辿り着いた。靴も服も水に浸ったせいでびしょ濡れで、さらに土砂降りの雨に降られて全身ぐしょぐしょだ。幸い、山荘の長老たちが…

冒険者ロアルドの日誌・孤雲閣

島の丘々人にバレないよう、無事に孤雲閣に辿り着いた。上陸する時に、ちょうど六角形の大きな石柱が眩しい日差しを遮ってくれた、石柱の影はとても涼しかった。数千年の間、魔物の残骸を餌にしてきたのか、ここの砂浜に生息するカニは大きく、焼くと美味し…

グンヒルドの逸話

バルバトスの清き風が読者に澄んだ目を、モンドの自由の風が長く吹き続けるように。 グンヒルド一族の歴史は古い伝説から始まっている。あれは三千年前、「高塔の孤王」デカラビアンと「北風の王」アンドリアスが混戦する時代。荒れ果てたモンド氷原では、グ…